- 「のび太と鉄人兵団の主役は誰なの?」
- 「のび太と鉄人兵団の主役は、のび太だよね?」
こちらの記事は、そのような方に対して書いています。
1986年版「ドラえもん のび太と鉄人兵団」は、ドラえもんファンの方々の間で名作と言われている映画です。
ところで、そんなのび太と鉄人兵団ですが主役はいったい誰なのでしょうか?
私はリルルが主役だと考えています。
そのような訳で今回は、映画「ドラえもん のび太と鉄人兵団」の主役はリルルである理由を説明しましょう。
のび太と鉄人兵団はリルルが主役である理由
のび太と鉄人兵団の主役がリルルである理由は下記のとおりです。
- 実は映画の冒頭で説明されている
- のび太は主人公だが主役ではない
- 貴種流離譚で考えてもリルルが主役である
- リルルは心を理解できていない
- しずかちゃんは狂言回しと育む者、リルルのバディ、シャドーの四役
実は映画の冒頭で説明されている
実はリルルが主役であることは映画の冒頭シーンで説明されています。
そのシーンとは、ミクロスがのび太としずかちゃんに迫りるシーンです。
このシーンには2つの意味があります。
それはロボットが地球に攻めてくること、ロボットがのび太やしずかちゃんと交流することです。
もちろん後者のロボットはリルルのことを示しています。
そして、本作で最初に登場するキャラクターはミクロスで、その後に登場するのはのび太としずかちゃんです。
つまり主なのはロボット、リルルが主役であると説明されています。
のび太は主人公だが主役ではない
大長編ドラえもんの主人公はのび太です。
ところが作品によって、のび太とは別に主役(藤本先生のお言葉を拝借するなら副主人公)が設けられています。
例えば「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」であれば主役はバギーですし、「ドラえもん のび太の大魔境」であれば主役はペコです。
このように大長編ドラえもんでは、主人公であるのび太とは別に主役が設けられます。
貴種流離譚で考えてもリルルが主役である
貴種流離譚から考えてもリルルが主役です。
なぜならリルルは尖兵としてメカトピアから地球に送られるから。
貴種流離譚では流離されるのは主人公です。
例えばかぐや姫。
このように貴種流離譚で考えてもリルルは本作の主人公なのです。
リルルは心を理解できていない
登場して間もなくのリルルは、人間の心を理解できていない描写があります。
これも物語における主人公の特徴の1つです。
物語の主人公は最初何らかが欠けており、劇中で成長し欠けた部分を手に入れます。
いわゆる成長です。
リルルの場合は先述のとおり人間の心(思いやりかも?)が欠けていますが、映画のクライマックスでそれを手に入れます。
このことからもリルルは、のび太と鉄人兵団の主役だと言えるでしょう。
しずかちゃんは狂言回しと育む者、リルルのバディ、シャドーの四役
「いやいや映画のクライマックスで、しずかちゃんが大活躍するじゃないか!」とおっしゃるかもしれませんね。
おっしゃるとおり映画のクライマックスで、しずかちゃんは活躍しますね。
ところが、我々の目にはそのように映りますが、実はしずかちゃんは活躍していません。
ただ物語の進行役とリルルを育む者、そしてリルルのバディ、シャドーの四役をこなしているだけなのです。
しかもしずかちゃんは〇〇に行って〇〇に〇〇〇することを提案しますが、最後行動するのはリルルですよね?
しかしリルルは〇〇と交代して〇〇します。
ところで、これはジョゼフ・キャンベルの原質神話の父親との一体化と神格化にあたる物語の構成の大事な要素(ネタバレギリギリですね)。
つまりクライマックスにおいても主役はリルルであると、藤子・F・不二雄先生はおっしゃっているのです。
このことからも分かるように本作の主役はリルルであり、しずかちゃんではありません。
しずかちゃんが活躍しているように見えるのは、一人で四役をこなしているからです。
本作のクライマックスにおけるしずかちゃんの役割を補足しましょう。
クライマックスでのしずかちゃんはリルルの発言に対してツッコミを入れつつ(これはバディとしての役割)リルルを教育します(これが育む者としての役割)。
そして、のび太やしずかちゃんに危害を加えるリルルに対し、しずかちゃんはリルルを介抱しました(これはシャドーとしての役割)。
そのうえ、しずかちゃんはミクロスの発言をきっかけに〇〇に〇〇するという提案をし、物語を進行させます(これは狂言回しとしての役割)。
そのため、主役かのように見えるのです。
まとめ
1986年版「ドラえもん のび太と鉄人兵団」の主役がリルルである理由は下記のとおりです。
- 実は映画の冒頭で説明されている
- のび太は主人公だが主役ではない
- 貴種流離譚で考えてもリルルが主役である
- リルルは心を理解できていない
- しずかちゃんは狂言回しと育む者、リルルのシャドーの三役
リルルの登場は遅いため、本作のヒロインと認識されることは多いものの主役としては認識されていません。
しかし先述のとおりリルルが主役であるのは明らかです。
以上で「のび太と鉄人兵団1986年版はリルルが主役」を終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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