のび太の魔界大冒険1984年版を動画で見る前にお読みください

ドラえもん映画
  • のび太の魔界大冒険の動画を見る前にあらすじを知りたい
  • のび太の魔界大冒険に込められているメッセージは?

こちらの記事は、そのような方に対して書いています。

ごきげんいかがですか?

映画好き歴42年の朝比奈宗平です。

よろしくお願いします!

今回は、のび太とドラえもんが魔法の世界に迷い込む映画「ドラえもん のび太の魔界大冒険」1984年版を見ました。

本作は「もしも魔法を使えたら」という願いを叶えるため、もしもボックスで世界を魔法の世界にするのび太とドラえもんが元の世界に戻れるのかという話です。

しかし、そんな単純な映画ではありません。

実は、本作も藤子・F・不二雄先生のメッセージが詰まった素晴らしい作品なのです。

しかも文学や映画の歴史的観点でも素晴らしい作品でもあります。

そのような訳で今回は、1984年版のび太の魔界大冒険を感想をかねてモチーフやテーマを詳細に紹介しますので、動画を見る際の参考にしてください。

のび太の魔界大冒険の動画を見る前に知っておくといいこと

のび太の魔界大冒険の動画を見る前に知っておくといいことは、下記の順番で説明します。

  1. あらすじ
  2. テーマ
  3. モチーフ
  4. のび太が魔王を倒して女の子を助ける話

あらすじ

大掃除中に居眠りをして、魔界で魔王を倒す夢を見たのび太。

ママに起こされたのび太は、ドラえもんと一緒に粗大ごみを捨てに行くとドラえもんの石像を見つけます。

次第に魔法に興味を持つのび太。

そんな彼は、魔法について出木杉くんに話を聞きに行くのですが、その帰り道に自分の石像を見つけ家に持ち帰ります。

その夜、不思議な体験をしたのび太はもしもボックスを使います、世界を「魔法の世界」にするために。

テーマ

1984年版のび太の魔界大冒険のテーマは下記のとおりです。

本作では人間性の危機を主軸に分離と再会、人間関係、人間性の危機がバランスよく扱われています。

個人的には、のび太と美夜子の淡いロマンス(お姉さんに対する憧れ)がさりげなくて好感をもちました。

分離/再会美夜子との出会いと別れ
人間関係魔法世界の人々との交流
人間性の危機魔界の侵略。元の世界に戻れなくなる

モチーフ

手塚治虫先生の漫画「魔法屋敷」と「月世界紳士」、そして「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」に引き続き米ソ冷戦です(ただし今回は、当時の東ドイツと西ドイツを題材にしているのではないかと考えています)。

また魔法の世界が舞台ということもあり、ホラーやラブロマンスなどのゴシックロマンスも題材にしています。

いやあ、それにしてもゴシックロマンスのルールを巧みに使って米ソ冷戦(もしくは東西ドイツ)を描いた挙句、ドラえもんに「どうでもいいけど」と言わせて「どちらが上とか下とかどうでもいいじゃない、同じ人間なんだから」というメッセージを伝えるなんて!

また藤子・F・不二雄先生のすごさを目の当たりにしました!

のび太が魔王を倒して女の子を助ける話

映画の冒頭シーンのとおり、本作はのび太が魔王を倒して女の子を助ける話です。

ところが、それは前作に続き本作も表向き。

実は冒頭シーンに登場するのび太は資本主義、しずかちゃんは共産主義、ジャイアンとスネ夫は戦争の脅威の例えなのです。

そのシーンで、のび太はジャイアンのお母さんに変身してジャイアンたちを追い返し、しずかちゃんと二人で仲良く空を飛びます。

つまり「戦争しないで仲良くしようね」というメッセージを込めた反戦映画なのです。

ちなみに本編では、のび太とドラえもんが資本主義、魔法の世界の住人が共産主義、魔界が戦争の脅威として例えられています。

このように1984年版のび太の魔界大冒険は、のび太が魔王を倒して女の子を助ける話に例えた反戦映画なのです。

のび太の魔界大冒険の感想と評価

のび太の魔界大冒険の感想と評価は下記のとおりです。

  1. 感想は藤子不二雄先生のすごさにまた驚きました!
  2. 心に残ったシーンは二人の別れ
  3. 評価は今回も満点です!

感想は藤子不二雄先生のすごさにまた驚きました!

先述のとおり、のび太の魔界大冒険はファンタジーということもあり、ホラーやラブロマンスなどのゴシックロマンスが盛り込まれています。

ゴシックロマンスとは、18世紀後半のイギリスで生まれた主にゴシック風の建物で超自然的な怪奇を扱う小説のことです。

その後、ゴシックロマンスはSFやミステリー、ラブロマンスに枝分かれ発展しました。

このゴシックロマンスにはいくつかのルールがあるのですが、藤子・F・不二雄先生はのび太の魔界大冒険でそれらのルールをきちんと守って脚本を作られています。

下記はその一例

  • 科学と魔法の対比
  • どらえもんとのび太の対比
  • 元の世界と魔法の世界の対比
  • のび太と美夜子の対比
  • どらえもんとドラミちゃん
  • 満月博士の屋敷
  • ホラー要素

藤本先生は、細部に亘ってゴシックロマンスに徹底しています。

ちなみに美夜子が猫になるのはゴシックロマンスのルールに則って、どらえもんと対比するためです。

映画の後半でドラミちゃんが登場するのも同じ理由(美夜子が元の姿に戻るため)。

このように藤子・F・不二雄先生は、ゴシックロマンスのルールに徹底しつつ、しっかりと脚本を作られるのですから本当にスゴイですよね?

本当に尊敬します。

心に残ったシーンは二人の別れ

心に残ったシーンは、のび太と美夜子の別れですね。

美夜子の「やはり帰るの?」というセリフに彼女の気持ちが見えて、なんだか私も寂しい気持ちになりました。

キラキラ映画にありがちな「好きだ! どうしよう! 付き合いたい!」みたいなのもいいですが、このような淡くてプラトニックなロマンスもいいですね。

ずっと余韻が残って。

個人的には、こちらの方が好みです。

ドラえもんは子ども向けの作品なので、たぶん藤子・F・不二雄先生はあえて表現を抑えているのでしょう。

しかし、その抑えた表現によってグンと説得力が増しています。

本当にすごいですよね?

ううむ、ドラえもん映画を見る度に藤子・F・不二雄先生の凄さを実感させられます。

評価は今回も満点です!

それでは僭越ではございますが、のび太の魔界大冒険を評価します。

のび太の魔界大冒険の評価は――☆五つ――満点です!

小さなお子さんが楽しめるようにしつつ、同行者の大人には作品のテーマと反戦のメッセージで退屈させないように工夫が施された脚本。

普通の脚本家には到底マネできない芸当だと思いました。

映像と演出、効果音にしても、おどろおどろしい雰囲気やハラハラドキドキするように作られていてます。

これは満点でない方がおかしいでしょう。

総合点☆☆☆☆☆
映像美☆☆☆☆☆
演出力☆☆☆☆☆
効果音☆☆☆☆☆
脚本力☆☆☆☆☆

まとめ

1984年版のび太の魔界大冒険は、手塚治虫先生の漫画と米ソ冷戦を題材にした作品です。

また本作はゴシックロマンスのルールを順守しています。

そのため、おどろおどろしい雰囲気さ出ていて、それだけでも見ごたえのある映画です。

大人の方は、藤子・F・不二雄先生がいかに当時の米ソ冷戦の危機を表しているのか確認しながら映画を見るのもいいかもしれませんね。

以上で「のび太の魔界大冒険1984年版を動画で見る前にお読みください」を終わります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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